2世紀に渡る歴史―継承したものを誇りに思い、歴史を不朽のものとする
ワイナリーの歴史は1834年、アントワーヌ・ジャブレによって始まりました。そしてローヌ渓谷の恵まれたテロワールとワイン造りへの情熱を次の世代であるポールが受け継ぎ「ポール・ジャブレ・エネ」を設立。以後2世紀に渡り、ローヌのエルミタージュに本拠地を構え卓越した品質のワインを造り続けてきました。
1997年にジェラール・ジャブレ氏が亡くなるとワイナリーは一時指揮官不在の状態に陥りましたが、2006年にフレイ家がオーナーとなり、カロリーヌ・フレイが醸造責任者に就任。現在ではその舵取りのもと、ローヌワインの更なる可能性を追求し続けています。
ビオディナミ転換―偉大なワインはぶどうの樹から生まれる
ポール・ジャブレ・エネは「偉大なワインはぶどうの樹から生まれる」として、ぶどう栽培に非常に力を入れています。その一環が2006年から始まったビオディナミ農法です。除草剤の使用を禁止し有機肥料を採用する等の取り組みによって土壌の微生物の動きが活発化。ぶどう樹は地中深くへ伸ばした根から様々な栄養分を吸収し、ワインにテロワールの個性を写し取ります。ポール・ジャブレ・エネは2016年までに約120haの自社畑全てでエコセール認証を取得しました。また、契約農家からのぶどうで造るワインについても順次、オーガニック認証の取得を進めています。
ぶどう栽培―長期契約農家との緊密な連携
ぶどうの樹齢は80年にもなる古樹もありますが、平均樹齢は40年で、収量は1ha当たり25〜35hlにまで抑えられています。
このような背景からもお分かりいただけるように、ポール・ジャブレ・エネでは伝統的方法を使って辛抱強く作業を続けていくことで、テロワールの個性が光るワイン造りを行っているのです。
長期契約農家についてポール・ジャブレ・エネは以下のようなフォローを行っています。
●栽培農家と協力しながら各ワインに最適なぶどうをセレクト
●1年を通じた畑のフォローアップ
●収量のコントロール
●選果、収穫の管理
●醸造、ブレンドの実施
長期契約農家との緊密な連携により育てられた上質なぶどうを、ポール・ジャブレ・エネのノウハウと設備で醸造することによって、リーズナブルかつ高品質なワインが生まれます。
醸造―ローヌのテロワールをワインに写し取る
ポール・ジャブレ・エネでは、伝統手法と近代的技術を組み合わせた醸造方法を採用しています。ぶどうは手摘みで、一部のキュヴェについてはぶどうの持つ香りのポテンシャルを余さずワインに反映するため気温の低い夜間に収穫を行います。収穫されたぶどうはワイナリーへ運ばれ、厳密な温度管理の下で醸造されます。醸造方法は畑のポテンシャルと目指すワインのスタイルによって使い分けられています。フレッシュな果実味を活かしたいものはステンレススチールタンクやセメントエッグなどを使用。樽熟成を施すものについてもキュヴェによっては半分を樽で残りの半分をステンレススチールタンクで熟成するなど、丁寧に手をかけることで、個性の異なるぶどうのポテンシャルを最大限に引き出したワインを造りだしています。